
「最後とは知らぬ最後が過ぎてゆく その連続と思う子育て」
俵万智さんの短歌である。
子どもを育てていると、この歌が、すとんと胸に落ちる瞬間がある。
おそらく、地球上で子育てをしてきたすべての人びとが感じてきたであろう、
切なさ、喜び、寂しさ、嬉しさ、愛おしさを、見事にあらわしてくれていると思う。
毎日、一人で娘のお世話をしていると、ああこれは大変だ、と思う瞬間はもちろんある。
常に自分のことを後回しにして、この生活はいつまで続くのだろう、と思ったりもする。
自分のことを優先できなくてイライラするなんて、どうしてこうも私はわがままなんだろう。
子育てに向いていなかったのではないか、と否定的に考えてしまったり。
でも、娘の姿を目にすると、
言葉が浮かばなくなる瞬間が日に何度もある。
言葉であらわすなら、何というか、「奇跡が目の前にある」というような。
あまりにも美しく、無垢で、愛おしい。
歩く、走る、急いで走る、何となく笑う、こちらに笑って見せる、ぶつぶつ呟く。
猫にそっとさわる、被毛に顔を埋める、逃げられてきゃあっと笑う。
昼寝から起きて不安で泣いた顔、抱っこを求めてベッドから両手を伸ばす、連れてきたらソファでまた寝てしまう。
すやすや眠る顔は、まるで砂糖菓子のよう。
毎日おやすみを言う時、今日のあなたにお別れなのだと気づく。
寂しくて、もう少しだけ寝顔を見ていたい。
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